Ryzen 3000シリーズの登場とともに、ミドル〜ハイエンド向けのB550やX570に注目が集まる中、「コスパ重視」の設計思想で投入されたのがA520チップセットです。
「Aシリーズ=ローエンド」という印象を持たれがちですが、実はA520は前世代のA320から大きく進化しており、第3世代以降のRyzenに正式対応し、堅実な構成を可能にする隠れた名チップセットでもあります。
この記事では、A520のスペックや対応CPU、他チップセットとの比較、選び方のポイントまで丁寧に解説していきます。
A520とは?
A520は、AMDが2020年8月に発表したローエンド向けチップセットで、第3世代Ryzen(Ryzen 3000シリーズ)以降のCPUを対象とした設計です。
前世代のA320では対応していなかった「Ryzen 3000シリーズ以降」に正式対応し、また後のBIOSアップデートによってRyzen 5000シリーズの一部CPU(Ryzen 5000G含む)にも対応するようになりました。
ただし、Ryzen 1000・2000シリーズには非対応という点がA320との大きな違いです。
A520は「オーバークロック非対応」ながら、低価格かつ安定したRyzen環境を構築できる点で、省コスト構成を求めるユーザーにとって理想的な選択肢となっています。
A520のスペックと主な特徴
A520は、AMDが2020年8月に発表したローエンド向けチップセットで、第3世代Ryzen(Ryzen 3000シリーズ)以降のCPUを対象とした設計です。
前世代のA320では対応していなかった「Ryzen 3000シリーズ以降」に正式対応し、また後のBIOSアップデートによってRyzen 5000シリーズの一部CPU(Ryzen 5000G含む)にも対応するようになりました。
ただし、Ryzen 1000・2000シリーズには非対応という点がA320との大きな違いです。
A520は「オーバークロック非対応」ながら、低価格かつ安定したRyzen環境を構築できる点で、省コスト構成を求めるユーザーにとって理想的な選択肢となっています。
A520のスペックと主な特徴
A520チップセットの構成イメージ

項目 | 内容 |
---|---|
発売年 | 2020年8月 |
対応ソケット | AM4 |
対応CPU世代 | Ryzen 3000/4000G/5000シリーズ(※一部条件あり) |
PCIeレーン数(チップセット) | PCIe 3.0 ×6(CPU直結はPCIe 4.0 or 3.0) |
USB構成 | 最大USB 3.2 Gen1 ×5、USB 2.0 ×6 |
SATAポート数 | 最大4ポート |
NVMeサポート | CPU直結でGen3/Gen4 NVMeに対応(CPUに依存) |
オーバークロック | 非対応 |
マルチGPU構成 | 非対応 |
TDP(チップセット) | 約4.3W(省電力設計) |
なぜGPUやSSDはチップセットを通らないのか?
この構造はA520特有ではなく、AM4プラットフォーム全体の共通仕様です。GPUやNVMe SSDのような帯域幅・レイテンシに敏感なデバイスは、必ずCPUから直接接続されます。これにより、パフォーマンスを最大限に発揮できるよう設計されています。
他チップセットとの比較
チップセット | 対応CPU世代 | オーバークロック | PCIe規格(CPU直結) | USB構成 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
X570 | 3000〜5000 | 対応 | PCIe 4.0 | USB 3.2 Gen2 ×8 など | ハイエンド構成に最適 |
B550 | 3000〜5000 | 対応 | PCIe 4.0 | バランス型USB構成 | ゲーム・自作定番 |
A520 | 3000〜5000(一部) | 非対応 | PCIe 4.0 or 3.0(CPU依存) | USB 3.2 Gen1/2.0まで | 安価・安定性重視の省構成向き |
A320 | 1000〜3000(一部) | 非対応 | PCIe 3.0 | USB 3.1 Gen1/2.0 | 初期世代向け/現在は型落ち扱い |
マザーボードの選び方と注意点
- 対応CPUの確認が最重要
A520はRyzen 3000シリーズ以降に限定されたチップセットです。1000/2000番台のRyzenは搭載できません。 - BIOSバージョンのチェックを忘れず
Ryzen 5000シリーズ対応はBIOSアップデートが必須。購入時点で最新版かどうか確認を。 - メモリスロットやVRMの簡略化に注意
安価なモデルはメモリスロット2本/電源フェーズ数少なめな構成も多いため、選ぶ際はレビューも要チェック。
どんな人におすすめか?
タイプ | 理由 |
---|---|
初心者 | 自作入門に最適。構成もシンプルで価格も安い。 |
省スペースPC | MicroATXやMini-ITX構成で使いやすい。 |
オーバークロック不要派 | 安定動作を重視するユーザー向け。 |
家族用・サブPC用途 | コストパフォーマンスに優れた選択肢。 |
逆に以下のような方には不向きです。
- Ryzen 1000/2000番台を使いたい
- オーバークロックやマルチGPU構成を組みたい
- 高負荷のクリエイティブ用途(X570/B550推奨)
まとめ
A520チップセットは、第3世代以降のRyzenを安定して活用できるローエンドチップセットです。A320からの進化点は多く、特に「正式なRyzen 5000対応」「PCIe 3.0レーンの強化」により、最新世代の構成でも無理なく組めるポテンシャルを持っています。
価格を抑えつつ安定性を重視したいユーザーや、初めてのRyzen自作に取り組む方にとって、A520は侮れない選択肢となるでしょう。