Ryzenシリーズが登場した2017年当時、最初にミドルレンジ向けとして投入されたのが「B350チップセット」です。
この記事では、B350の歴史や特徴、他のチップセットとの違い、選ぶ際の注意点などを初心者~上級者にもわかりやすく解説していきます。
B350とは?
B350は、2017年に初代Ryzen 1000シリーズ(Zenアーキテクチャ)とともに登場したAM4ソケット対応のミドルレンジチップセットです。
当時はオーバークロック対応やNVMeストレージ対応を持ちつつ、価格を抑えた構成が可能なチップセットとして高い評価を受けました。
- X370の廉価版として登場
- Ryzen 2000シリーズ(Zen+)にも対応
- 後期にはRyzen 3000にもBIOS更新で対応(一部モデル)
B350のスペックと主な特徴
B350チップセットの構成イメージ
※ B350でもM.2スロットはCPU直結構成のため、NVMe SSDは高速に動作可能です。

項目 | 内容 |
---|---|
対応ソケット | AM4 |
対応CPU | Ryzen 1000/2000/一部3000シリーズ |
PCIe世代(CPU側) | PCIe 3.0 |
PCIe世代(チップセット) | PCIe 2.0 |
M.2スロット | 最大1~2基(NVMe/SATA対応) |
メモリ対応 | DDR4(OC対応) |
オーバークロック対応 | CPU/メモリともに対応 |
チップ構成 | 単チップ構成(Promontory 12) |
備考 | 安価モデルは端子数・VRM品質にばらつきあり |
他チップセットとの比較
チップセット | PCIe世代 | OC対応 | M.2スロット数 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
X370 | 3.0(2.0混在) | ◎ | 最大2基 | 当時の上位構成/拡張性・耐久性重視 |
B350 | 3.0(2.0混在) | ○ | 最大2基 | 初代Ryzen用/コスパ構成の原点 |
B450 | 3.0(2.0混在) | ○ | 最大2基 | 第2~3世代向け/安定性・BIOS対応が広い |
A320 | 3.0(2.0混在) | × | 最大1基 | 最廉価グレード/OC非対応/拡張性控えめ |
マザーボードの選び方と注意点
1.Ryzen 3000/5000への対応は限定的
- BIOSアップデートで3000は一部対応/5000は基本非対応
2.安価モデルは電源回路や端子数に制限あり
- 安定性・OC耐性を重視するなら中価格帯以上のモデルがおすすめ
3.古いモデルはI/Oが不足気味
- USB 3.xやM.2スロット数が限られている場合も多い
どんな人におすすめか?
タイプ | 理由 |
---|---|
初代~第2世代Ryzen構成を組みたい人 | 相性が良く、安定動作しやすい構成 |
旧世代PCの延命や再活用を検討している人 | 中古市場で入手しやすく、低コストで再利用できる |
基本性能があれば十分なライトユーザー | 軽作業・ネット用途中心の環境に適している |
自作初心者で試しに構成を組んでみたい人 | 情報が豊富・安価な構成を経験しやすい |
まとめ
B350は、Ryzen時代の幕開けを支えた、AM4プラットフォームの初期中核チップセットです。
最新チップセットと比べると帯域や拡張性には限界がありますが、今でも旧世代Ryzenを活かすコスパ構成やセカンドマシンに十分有効です。
予算を抑えて軽量な構成を組みたい場合や、自作経験を積みたい方にとって、B350は“いまも選べるチップセット”と言えるでしょう。