AMDのAM5世代マザーボードの中で、性能・価格のバランスが非常に良く、幅広いユーザーに支持されているのが「B650」チップセットです。
この記事では、B650の基本スペックから、他チップセットとの違い、選び方の注意点までを初心者から上級者までわかりやすく解説します。
B650とは?
B650は、2022年にRyzen 7000シリーズ(Zen 4)と同時に登場したAM5ソケット専用のミドルレンジチップセットです。
上位モデルであるX670/X670Eと同様にDDR5やPCIe 5.0に対応しながら、コストパフォーマンスの良さが特徴です。従来の「B550」からは大きな進化を遂げており、帯域・対応CPU・周辺機能が一新されています。
- 初代AM5対応ミドルレンジチップセット
- DDR5時代への橋渡しとなる存在
- PCIe 5.0対応SSDやUSB4搭載マザーボードも登場
B650のスペックと主な特徴
B650チップセットの構成イメージ

項目 | 内容 |
---|---|
対応ソケット | AM5(LGA1718) |
対応CPU | Ryzen 7000シリーズ(Zen 4) |
PCIe世代 | CPU側:PCIe 5.0/チップセット側:PCIe 4.0 |
M.2スロット | 最大3~4基(Gen5対応モデルあり) |
メモリ対応 | DDR5メモリ(EXPO対応) |
オーバークロック対応 | CPU/メモリ(EXPO)に対応 |
USBポート数 | 最大14基(USB 3.2 Gen2x2搭載モデルあり) |
チップ構成 | 単チップ構成(Promontory 21) |
備考 | 一部モデルでWi-Fi 6E、USB4、Gen5 SSD対応あり |
他チップセットとの比較
チップセット | GPU PCIe 5.0 | M.2 PCIe 5.0 | チップ構成 | OC対応 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
X670E | ◎ | ◎ | 2チップ構成 | ◎ | フル機能・フル帯域・最上位 |
X670 | △(製品依存) | ◎ | 2チップ構成 | ◎ | 上位機能搭載/拡張性重視 |
B650E | ◎ | ◎ | 単チップ構成 | ○ | 拡張帯域ありの高機能ミドルレンジ |
B650 | △(製品依存) | △(Gen5モデルあり) | 単チップ構成 | ○ | コスパ重視/DDR5・Gen5入門に最適 |
マザーボードの選び方と注意点
1.PCIe 5.0の対応範囲を確認
- すべてのB650マザーボードがGPU・SSD両方に5.0対応しているわけではない
- 製品ページやチップ構成を事前にチェック
2.EXPO対応・メモリスロット数も確認
- DDR5の安定動作やOC設定にはマザボ側の対応も必要
3.チップセットファンは基本的に非搭載
- X570のようなファンノイズが気になる構成では安心
どんな人におすすめか?
タイプ | 理由 |
---|---|
最新Ryzenでコスパ重視したい人 | DDR5・Gen5対応しつつコストが抑えられる |
PCIe 5.0 SSDを導入したい人 | 一部モデルでGen5 M.2スロット搭載/高速ストレージ環境を構築可能 |
中長期でのアップグレードを視野に入れている人 | 将来的なパーツ交換・拡張を考慮した帯域とソケットの安心感 |
静音志向/高冷却構成を組みたい人 | ファンレス設計/VRM強化モデルが多く冷却性に優れる |
まとめ
B650は、Ryzen 7000世代において機能とコストのバランスが取れた非常に優秀なチップセットです。フラッグシップにこだわらない現実的な構成や、コスパ良く最新機能を取り入れたいユーザーにとって、最適なAM5プラットフォームの土台として強くおすすめできます。
マザーボード選びで迷った際は、まずB650モデルを基準に構成を検討してみるとよいでしょう。