Ryzen 7000シリーズ以降のマザーボードやDDR5メモリに対応する「EXPO(Extended Profiles for Overclocking)」は、AMDが策定したメモリの自動オーバークロックプロファイル規格です。
この記事では、EXPOとは何か、XMPとの違い、使い方や対応条件などをやさしく解説します。
EXPOとは何か?
EXPO(Extended Profiles for Overclocking)は、AMDがDDR5向けに開発した自動OC用メモリプロファイルです。
これにより、対応メモリを挿してBIOSから「EXPOを有効化」するだけで、メモリが定格以上のパフォーマンスで動作するようになります。
XMPとの違い
項目 | XMP(Intel) | EXPO(AMD) |
---|---|---|
開発元 | Intel | AMD |
対応メモリ | DDR4/DDR5 | 主にDDR5(DDR4は非対応) |
認識される環境 | 一部Ryzenで不安定な場合も | Ryzen 7000以降で安定動作 |
※ EXPO対応メモリには「EXPO Certified」などの表記あり。
EXPOの設定方法(BIOS)
- BIOSを起動(Deleteキー/F2キー)
- 「AI Tweaker」「OC」などの項目に進む
- メモリ設定欄にある「EXPO」または「D.O.C.P」「EXPO Profile」を選択
- 保存&再起動
EXPO設定イメージ(概念)
※ 実際のクロックやタイミングはメモリ仕様により異なります。
項目 | メモリ初期状態(JEDEC) | EXPO有効時(OC) |
メモリ | DDR5-4800 CL40 | DDR5-6000 CL30 |
動作 | 標準クロック | 高速クロック+低レイテンシ |
メリットと注意点
メリット
- 簡単な設定で高性能なメモリが最大限に活用できる
- AMD公認の規格なのでRyzenとの相性が良い
- 自作初心者でも設定がしやすい
注意点
- 高性能メモリ=安定とは限らず、BIOSアップデートで改善する場合あり
- DDR5の発熱が増える可能性がある(ヒートシンク搭載推奨)
- 非対応メモリではEXPOが表示されない
BIOSとEXPO設定の制限について
設定項目 | 内容 |
---|---|
EXPO表示が出ない場合 | 非対応メモリ、BIOSバージョンが古い可能性 |
有効化できない | 一部の初期BIOSではEXPO項目が非表示または制限あり |
マザーボードの制約 | A620など一部廉価モデルでは高クロック安定性に制限が出る可能性 |
まとめ
EXPOは、Ryzen向けに設計された安心かつ簡単なメモリ高速化技術です。DDR5メモリで性能を最大限引き出すためには、EXPO対応メモリと対応マザーボードが必須になります。
メモリ選びの際は「EXPO対応」の記載がある製品を選び、BIOS設定で有効化するだけでOKです。