【徹底解説】L3キャッシュとは?CPU性能を左右する仕組みと役割を解説

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どうも、ジサ郎です。

L3キャッシュは、パソコンの処理速度やゲーム性能を左右する重要な内部メモリです。本記事では、初心者にもわかりやすく L3キャッシュについて丁寧に解説します。

L3キャッシュとは?概要と位置づけ

L3キャッシュ(Level 3 Cache)とは、CPU内または近くに搭載されている中速・大容量のキャッシュメモリで、L1/L2キャッシュの補助として動作します。頻繁に使うデータはできる限りL1に、そこに入らないデータはL2にという多段階構成になっています。

特に現代のマルチコアCPUでは、複数のCPUコアで共有されることが多く、コア間のデータ効率を高めるために非常に重要です。

キャッシュメモリの階層構造

CPUの部位用途速度容量の割合
L1キャッシュ各コアに搭載されているキャッシュ
即時に使う命令・データの保存
最速最小容量
L2キャッシュ各コアに搭載されているキャッシュ
L1キャッシュの補助としての中継キャッシュ
最速中容量
L3キャッシュ各コアから独立して搭載されているキャッシュ
コア間データ共有・L1/L2の補助
中速大容量

L3キャッシュの主な特徴

特徴内容
速度L1・L2よりは遅いが、RAMより圧倒的に速い
容量数MB〜数十MB(3D V-Cacheでは100MB超も)
共有性マルチコアで共有されるキャッシュ
役割L1/L2で足りないデータを保持し、RAMアクセスを回避
構造セットアソシアティブ方式(効率よくデータを管理)

L3キャッシュはRAMで代用できるのか?

代用はできません

L3キャッシュとRAMは構造・用途・速度すべてが異なります。
RAMは広くて汎用的な作業台ですが、L3キャッシュはCPUのスピードに追従できる超高速の専用領域です。また「キャッシュコヒーレンシ制御」に似た機能もあり、代用が難しいことも理由の1つです。

項目L3キャッシュRAM(メモリ)
位置CPUダイ内CPUから離れた位置
容量数MB数GB〜数十GB
速度数ナノ秒(超高速)数十〜百ナノ秒(高速)
役割処理中データの一時保持アプリ全体の作業領域

キャッシュコヒーレンシ制御とは?
マルチコアCPUでは、複数のコアが同じデータに同時アクセスすることがあります。このとき、各キャッシュがバラバラの値を保持していたら大問題です。それを防ぐために、キャッシュ間で「データは一貫しているか?」を常に監視・同期する仕組みが「キャッシュコヒーレンシ制御」です。

まとめ

L3キャッシュの理解が、CPU選びのカギとなります。下記に当てはまる場合は、L3キャッシュの領域が広ければ、広いほど恩恵を受けます。

  • ゲームプレイ(特にFPSやオープンワールド系)
  • データベース処理
  • 科学計算や解析処理
  • マルチスレッドアプリケーション

CPU選びで「L3キャッシュ容量」は見落としがちですが、特にゲーマー・クリエイター・開発者には大きな影響があります。 Ryzenの「3D V-Cache」が注目される理由も、まさにここにあります。