Ryzen3 2200Gの性能解説

AMDのCPU

どうも、jisaroです。
Ryzen3 2200Gの概要から性能まで、詳しく解説していきます。

概要

Ryzen 3 2200Gは、2018年2月にAMDがリリースした初代Ryzen APU(Accelerated Processing Unit)シリーズのエントリーモデルです。コードネームは「Raven Ridge(レイヴンリッジ)」。

APUとは、CPUとGPUを1つのダイに統合したプロセッサであり、グラフィックボード(dGPU)なしでもディスプレイ出力や軽い3D処理が可能になります。Ryzen 3 2200Gは、低価格帯ながらゲーミング性能を備えた「エントリーゲーマー向けCPU」として登場し、自作初心者やファミリー用途に人気を集めました。

スペック表

項目内容
アーキテクチャZen(14nm)
コア/スレッド数4コア4スレッド
ベースクロック3.5 GHz
ブーストクロック最大3.7 GHz
GPURadeon Vega 8(8CU、最大1100MHz)
L3キャッシュ4MB
TDP65W
ソケットAM4
対応メモリDDR4-2933
PCIeバージョンPCIe 3.0

搭載されている機能

Radeon Vega 8内蔵GPU

8基のCU(Compute Unit)を備え、LoLやVALORANT、Minecraftなどの軽量ゲームを内蔵グラフィックだけでプレイ可能です。設定を調整すれば、フルHDでも実用的なパフォーマンスを発揮します。

Precision Boost

CPU温度や使用状況に応じてクロックを自動調整し、普段使いで快適な動作を維持します。

Wraith Spireクーラー同梱

静音性と冷却性能を両立した純正クーラーが付属し、別途クーラーを購入しなくても安定動作が可能です。

競合CPUを例に性能の比較

CPUコア/スレッドGPUゲーム性能(fps)シングル性能(CB R20)備考
Ryzen 3 2200G4/4Vega 8約35〜50fps(低設定)約360ptsグラボ不要
Core i3-81004/4UHD 630約20〜30fps約370ptsGPU性能が低い
Athlon 3000G2/4Vega 3約20〜30fps約250pts性能不足感あり

Vega 8内蔵グラフィックは、エントリークラスの内蔵GPUとしては優秀で、UHD 630よりもはるかに高性能です。

競合CPUを例に消費電力・価格の比較

CPUTDP実消費電力実売価格(中古)GPU内蔵
Ryzen 3 2200G65W約70〜80W約3,000〜5,000円Vega 8
Core i3-810065W約80W約5,000〜7,000円UHD 630
Athlon 3000G35W約50W約2,000〜3,000円Vega 3

中古価格の安さと実用性のバランスが取れたCPUとして、Ryzen 3 2200Gは今でもサブPCや小型PC構成で重宝されています。

発覚している相性の問題

  • 古いマザーボードでBIOS未対応の可能性
    → A320/B350マザーで利用する場合、BIOSのアップデートが必要です。
  • メモリ速度に依存
    → 内蔵GPUはメモリ帯域が性能に大きく影響するため、DDR4-2933またはそれ以上、かつデュアルチャネル構成が推奨されます。
  • PCIeレーン制限
    → グラボを増設する場合、PCIe 3.0 x8動作に制限される点は注意が必要です。

使用可能なOSについて

  • Windows 10
    → 公式にサポートされており、安定して使用できます。
  • Windows 11
    → Ryzen 3 2200GはTPM 2.0とSecure Bootに対応していますが、Windows 11のハードウェア要件におけるCPUリストには含まれておらず、公式には非対応です。 ただし、インストール自体はレジストリ編集等により可能で、実際の使用も問題なく行えます(非公式運用)。
  • Linux系OS(Ubuntu、Fedoraなど)
    → Vega GPUに対応したドライバが提供されており、安定動作します。
  • Windows 7(非公式)
    → ドライバ提供は終了済みですが、一部ユーザーが導入事例あり。実用には課題があります。

どんな人におすすめか

特に中古市場でパーツを安価に揃えたい人に最適です。下記のような方は選択の一つとしてどうでしょうか?

  • 格安でゲームもしたい初心者ユーザー
  • グラボなしでPCを組みたいエントリーユーザー
  • 家庭用PCや学習用PCとして使いたい方
  • 静音・省電力で使える小型PCを構成したい方

総まとめ

Ryzen 3 2200Gは、内蔵GPUによってPC構築のハードルを下げた歴史的なCPUです。価格以上の性能を持ち、映像出力・軽量ゲーム・日常作業のすべてを1チップでこなせる万能APUとして人気を集めました。

4コア4スレッドという構成は今となっては控えめですが、グラフィック機能付きで中古価格が安く、扱いやすく、電力も控えめというバランスに優れています。Mini-ITX構成や、ファンレス静音PC、ファミリー用サブマシンなど、幅広い活用シーンに対応可能です。

Ryzen 3 2200Gは、「とにかく安く、シンプルに、でもちょっとゲームもしたい」そんな願いに応える最初の1台です。グラボ不要、静か、扱いやすい──これからPCに触れてみたい方に、今なおおすすめできるエントリーAPUの名機と言えるでしょう。