【徹底解説】Ryzenとメモリの相性問題まとめ

AMDのCPU

Ryzen環境では、「メモリが認識しない」「起動しない」「青画面になる」などのメモリ相性問題が起こることがあります。

本記事では、Ryzenユーザーに多いメモリ関連の不具合例とその原因、BIOS設定による解決策や安定性重視の選び方をわかりやすくまとめました。

Ryzenで発生しやすいメモリの相性不具合とは?

1. メモリとマザーボードの相性(QVL非対応)

  • 各マザーボードには「QVL(Qualified Vendor List)」があり、検証済みメモリでないと安定性に差が出る
  • 特にEXPO/XMP設定時の安定動作に影響しやすい

2. BIOSバージョンの古さ

  • 古いBIOSでは最新のメモリチップやOCプロファイルに非対応なケースあり
  • BIOS更新で改善されることが多い

3. メモリクロック/レイテンシの設定ミス

  • EXPOやXMP設定で無理に高クロックを指定すると不安定化
  • 手動設定で下げると安定することも

4. メモリスロット/挿し順の問題

  • スロット順序(A2/B2)を間違えると認識しないこともある

BIOSでの対処法と設定ポイント

1. EXPO/XMPを一度「無効化」して起動確認

  • 初期状態のJEDEC(定格)設定で安定起動するか確認する
  • 安定すれば、そこから段階的にクロックを上げて様子を見る

2. 手動でクロック・電圧・レイテンシを設定

例:EXPOメモリをDDR5-6000→5800MHzへ下げる/CL36→CL38にする など

3. SoC電圧の微調整(上級者向け)

  • 1.25V前後を目安に調整することで安定化する例も(上限は1.3V推奨)

4. 最新BIOSへの更新

  • マザーボード公式サイトから最新BIOSを取得して更新
  • 特にRyzen 7000シリーズ以降は頻繁に安定性改善が行われている

※ BIOS更新前には必ず「現在のバージョン確認」と「設定バックアップ」の上、作業をしましょう!!

安定性重視でメモリを選ぶには?

  • 各マザーボードメーカーのQVLリスト(動作検証済みメモリ一覧)を確認
  • EXPO対応かつDDR5-6000以下のモデルは比較的安定
  • G.Skill、Corsair、Kingstonなどの大手ブランド製を選ぶと安心

よくある質問(FAQ)

Q1. QVLリストにないメモリは絶対に使えないの?
A1. 動作する場合もありますが、安定性やEXPOの適用成功率は下がる傾向があります。特に初自作ならQVL掲載品が無難です。

Q2. EXPO有効化で起動しなくなった…どうすれば?
A2. 一度CMOSクリア(マザボの電池を外す、ジャンパーを使う等)を行い、BIOSを初期化すると復旧することがあります。

Q3. メモリのブランドで相性ってある?
A3. チップの種類やOCプロファイル実装方法が異なるため、相性の傾向はあります。大手ブランドは相性検証も多く安定しやすいです。

まとめ

相性問題=初期不良ではない。対処と知識がカギ!

Ryzen環境では、メモリの相性問題が起こる可能性はゼロではありません。 しかし、原因の多くはBIOS設定・クロック調整・マザーボードとの組み合わせに由来するもので、適切に対処すれば安定運用が可能です。

一度起動しなかったからといって「不良だ」と決めつけず、本記事を参考に設定やBIOSを確認しながら、落ち着いて対処していきましょう。

正しい知識と慎重な選択で、Ryzen環境でも快適で安定したメモリ動作を実現できます!